オリゴ糖を摂取すると太るのか

オリゴ糖には「糖」という言葉が使われていることからも分かるように、分類上は糖に該当します。糖といわれると、多くの方は砂糖や果糖などの健康に悪く太りやすいものをイメージされるでしょう。そのため、オリゴ糖も摂取することで太ってしまうのではないかと不安に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。以下ではオリゴ糖を摂取することで太ってしまうのかという点について詳しく紹介していきます。

オリゴ糖は便秘を解消してくれる

まず初めに、オリゴ糖を摂取する上でのメリットを紹介していきます。オリゴ糖は便秘の解消に効果があるとして、多くの方に使用されています。なぜオリゴ糖が便秘の解消に効果があるのかというと、オリゴ糖が人間の消化酵素で分解されない栄養素であることに関係しています。分解されないため、そのままの形で大腸にまで到達します。そして大腸において、ビフィズス菌などの善玉菌のエサとして利用され、それらの菌が増殖するのを助ける役割を担っているのです。

善玉菌が増加することで便秘の改善に効果が期待できます。善玉菌はオリゴ糖や食物繊維を発酵し、そこから乳酸などの有機酸を作り出します。それら有機酸は大腸の蠕動運動を活発にさせるという働きがあるので、大腸の活動が鈍っていることにより発生する便秘の解消に効果を発揮すると考えられているのです。

実際、様々な研究の結果を総合的にレビューし、オリゴ糖の便秘解消効果を検討した論文において、その効果が認められています[1]。この論文は、学術誌「Food & Nutrition Research」に掲載されており、それにはオリゴ糖の使用が成人および高齢者の便秘の症状を緩和するとの結論が示されています。オリゴ糖の便秘解消効果は、様々な研究において実証されているのです。

このように、オリゴ糖は便秘解消を始めとする様々な健康効果をもたらす栄養素ですが、気になるのはその副作用です。いくら便秘を解消することができても、それによってたとえば太ってしまうようなことがあってはあまり喜ぶことはできません。以下では、オリゴ糖と肥満との関係について詳しく見ていきます。

オリゴ糖を摂取すると太るのか

オリゴ糖と炭水化物との関係

では、ここでオリゴ糖と炭水化物との関係について確認しておきましょう。まず初めに以下の図を見て下さい。

図:栄養表示基準上の炭水化物、糖質、糖類の関係(出典[2]

この図は、栄養表示基準における、炭水化物や糖質、糖類の関係を示したものです。これをみると、炭水化物という大きなカテゴリのなかに糖質や糖類が含まれていることがわかります。一般的に皆さんが思い浮かべるであろう炭水化物、砂糖やブドウ糖はこの図における糖類に分類されます。そして、今回紹介しているオリゴ糖は三糖類以上の糖質に分類されます。なぜオリゴ糖が三糖類以上の糖質に分類されるのかというと、一般的に3-10個程度の単糖から構成されている糖質をオリゴ糖と呼ぶためで、そのために糖類ではなく糖質に分類されているのです。

ここで見たように、たしかにオリゴ糖も砂糖と同じ炭水化物に分類されることがわかりました。では、オリゴ糖をたくさん摂取することで他の炭水化物と同じように太る原因になってしまうのでしょうか。

オリゴ糖はエネルギーになりにくい

オリゴ糖は炭水化物の一種ですが、消化されにくい栄養素のため、ほとんどエネルギーとして利用されません。以下の図を見て下さい。

図:炭水化物の代謝経路(出典[3]

この図は易消化性炭水化物と難消化性炭水化物との代謝経路を比較した図です。ブドウ糖や果糖などの単糖類、また砂糖などの二糖類、ご飯やパンなどに含まれるでんぷん、それに易消化性のオリゴ糖が易消化性炭水化物に分類されます。それに対して、野菜などに多く含まれている栄養素である食物繊維、ガムなどの甘みとして使われている糖アルコール、それに難消化性のオリゴ糖を加えたものを難消化性炭水化物といいます。

この図ではオリゴ糖が両方のカテゴリに含まれていますが、人間にとって有益な作用を発揮するのは難消化性のオリゴ糖のほうです。ですので、サプリメントなどの形で販売されているオリゴ糖はすべて、難消化性のオリゴ糖であると考えていただいて差し支えありません。

易消化性炭水化物は、胃や小腸において分解されます。人間はこれらの炭水化物を分解する消化酵素を持っているため、簡単に分解することができます。そうやって分解された炭水化物は、解糖系やクエン酸回路、電子伝達系などの代謝経路に入ったのちに、1グラムあたり4キロカロリーものエネルギーを産生します。このカロリーは決して小さいものではないため、使い切れないほど多くの量を摂取してしまうと、脂肪として蓄積されてしまうため、太る原因になってしまうのです。

それに対して難消化性炭水化物は、易消化性炭水化物のように胃や小腸で分解されないために、それほどのエネルギーを産生しません。難消化性炭水化物のもつ結合は人間の消化酵素では切断されないため、消化されずにそのままの形で大腸にまで達するのです。これについては、先でオリゴ糖を例にして説明しましたね。そして、大腸において腸内細菌による発酵を受け、短鎖脂肪酸を産生します。これが大腸から吸収されて、最終的にはエネルギーを産生します。その産生するエネルギーの量が、オリゴ糖1グラムにつき2キロカロリー程度になります。すなわち、オリゴ糖のエネルギーは砂糖の持つエネルギーの約半分程度なのです。

つまりオリゴ糖は、砂糖やでんぷんなどの一般的な炭水化物と同じような消化のされ方をしないため、それらの炭水化物よりも1グラムあたりのエネルギーが低くなります。そのため、同じ量だけ使用するのではれば、砂糖などよりも太りにくいということになるのです。

ただし使う量には注意して

ただし、いくらエネルギーが低いとはいえ、使いすぎると太る原因になる可能性があるので注意しましょう。というのも、オリゴ糖の甘さというのは砂糖の半分程度しかないものがほとんどです。そのため、砂糖をオリゴ糖に変更することでカロリーダウンしようとしても、砂糖を使用していた時と同じだけの甘さを求めた場合はカロリーダウンにはなりません。

それに加えて、使いすぎた場合には下痢などの副作用が生じる可能性もあります。オリゴ糖の目安摂取量を守っているのであれば、このような副作用が生じる危険性はありませんが、その何倍もの量を摂取してしまった場合には下痢などの副作用が生じることが知られています。なので、使いすぎには注意して、摂取量の目安は守るようにしましょう。

まとめ

今回はオリゴ糖が太る原因になるのかどうか、ということについて紹介しました。オリゴ糖には便秘を解消するなどの健康効果がありますが、普段多くの方から嫌煙されている炭水化物の一種であることに違いはありません。しかし、一般的な炭水化物と違って消化されにくいため、砂糖などの比べると太る原因にはなりにくいと考えられます。ただし、それに甘んじてたくさんの量を摂取してしまうと、太る原因になったり、副作用を生じたりする原因にもなりますので、オリゴ糖の使いすぎには注意しましょう。

参考文献

[1] Niittynen, Leena, Kajsa Kajander, and Riitta Korpela. "Galacto-oligosaccharides and bowel function." Scandinavian Journal of Food and Nutrition 51.2 (2007): 62-66.

[2] アサヒ飲料. 炭水化物・糖質.

[3] 日本食品分析センター. 食物繊維の熱量(エネルギー)について ~ 栄養表示基準における食物繊維の熱量の取扱い ~.