オリゴ糖を摂取すると便秘になるのか

オリゴ糖は便秘を解消することを目的として摂取されることが多いようです。しかしそのオリゴ糖が消化されにくいという性質から、摂取することで逆に便秘になってしまうのでは?と疑問に思われる方がいらっしゃいます。たしかに、オリゴ糖は消化には良くない成分ですので、そう思われるのも無理はありません。以下ではそのような疑問についてお答えしたいと思います。

便秘について

便秘はどのような状態のことか

ひとことに便秘といっても、その程度は人によって様々です。便が出にくい状態を便秘という人もいますし、毎日排便がないと便秘だという人もいます。では具体的にはどのような状態のことを便秘であるとしているのでしょうか。はじめに、このことについてご紹介します。

アメリカのメイヨークリニックによると、以下のような症状のうち2つ以上当てはまれば便秘であると考えられるそうです[1]

・ 排便回数が1週間に3回未満
・ 便がかたまり状、もしくは固い状態
・ 腸の動きが緊張しているように感じる
・ 腸に詰まりがあり排便を妨げているように感じる
・ 排便後に便をすべて排泄できていないかのように感じる
・ 排便時に手で腸を押すなどの助けが必要である

排便回数が少なかったり、腸がつまって動きが鈍っていたりするような状態を便秘というようです。またそれに加えて、排便に使用する筋肉が衰えていることも便秘の状態であると言えそうですね。では、これら便秘の症状をもたらす原因にはどのようなものがあるのでしょうか。以下で見ていきます。

便秘の原因にはどのようなものがあるか

便秘を引き起こす要因には様々あります[1]。たとえば、年齢も便秘を引き起こす要因になります。若い人よりも高齢の人のほうが便秘になりやすく、これには筋力の低下などが関係しています。また、男性よりも女性のほうが便秘になりやすいことが知られています。そのほか、運動不足による筋力の低下や、食物繊維の少ない食事を取っていることなども便秘を引き起こす要因になります。

これらの要因が複合的に絡み合うことで、便秘の状態になっていることも珍しくありません。ですので、これらの要因を1つずつ解決していくことが大切になってくるのです。

オリゴ糖は便秘の原因になるか

オリゴ糖は人間の消化酵素では消化されない

オリゴ糖のもつ結合は、砂糖や乳糖などの一般的な糖質がもつ結合とは異なっています。そして、その結合は人間の消化酵素で切断できません。砂糖や乳糖のもつ結合は人間の持つ消化酵素であるアミラーゼやラクターゼによって切断できますが、オリゴ糖のもつ結合はそれらの酵素では切断できないのです。そのため、オリゴ糖は胃や小腸で分解されずにそのままの形でそれらの場所を通過し、摂取した食品が行きつく最終地点である、大腸にまで到達します。

つまり、オリゴ糖は消化の悪い成分だといえます。風邪を引いた時などは、一般的に胃腸に負担をかけないためにおかゆなどの消化しやすいものを食べるように促されます。食欲のない時でも食べやすく、また消化に必要なエネルギーが少しですむため体力を消耗しにくいというのがその理由です。それに対してオリゴ糖は人間の消化酵素では分解されないため、胃腸には優しくないととらえることもできます。オリゴ糖はおかゆなどの消化に良い食品の対極に位置するとも言えるのです。

消化の悪い成分が便秘の原因になることもある

実際、消化の悪い成分が便秘の原因になることもあります。こんにゃくに含まれるグルコマンナンがその一例です。

こんにゃくはダイエット効果の高い食品として人気が高く、低カロリーで満腹感が得られることから、ダイエット中の女性を中心に広く食べられています。その満腹感を与える役割を演じているのがこんにゃくに含まれているグルコマンナンという成分です。この成分は水溶性の食物繊維で、胃や腸などで水分を吸収して膨らむため、満腹感を得ることができるのです。

そのような効果のあるグルコマンナンですが、摂取することで胃腸の閉塞をまねく恐れがあるとして、カナダ保健省から注意喚起されています[2]。これは十分な量の水分とともに摂取する必要のある粉末状のグルコマンナンを、少ない水で摂取した場合に起こる可能性があるとされており、食道や胃腸が閉塞する恐れがあるそうです。最悪の場合は命にも関わります。たとえそこまで症状が重くなくとも、腸に詰まってしまった場合は、それが原因で便秘が引き起こされます。つまり、消化の悪い成分が原因となって便秘になってしまう可能性もあるということなのです。

ただしオリゴ糖の副作用としての便秘は報告されていない

となると、消化の悪い栄養素であるオリゴ糖もグルコマンナンと同様に便秘の原因になるのでは?と思われるかもしれません。消化されずに胃腸に残ることで腸を詰まらせ、それが原因で便秘になるのではと感じられるのでしょう。しかし現時点ではオリゴ糖の副作用としての便秘は報告されていません。保健機能を表示することのできる栄養素でもあるオリゴ糖は、その摂取する上での注意事項として「飲み過ぎ、あるいは体質・体調によりおなかが緩くなることがあります。」と商品のパッケージに示すこととされています[3]。このことから、オリゴ糖を摂取しすぎるとお腹が緩くことはあっても便秘の原因にはならない、ということが分かるかと思います。

オリゴ糖は便秘を改善する

オリゴ糖は便秘の原因にはならず、むしろ便秘を改善する作用があります。これは、オリゴ糖が腸内におけるビフィズス菌などの善玉菌を増やす作用があるからです。オリゴ糖が大腸に達すると、そこに存在している腸内細菌により利用され、それら細菌の増殖を促します。増殖した細菌は発酵により乳酸を産生し、その乳酸が大腸の動きを活発にする働きをします。その結果、便秘が解消されるのです。

実際の研究においても、オリゴ糖を摂取することで腸内のビフィズス菌が増加したとの結果が得られています[4]。健康な男女27名を対象としたこの研究では、フラクトオリゴ糖を摂取させた場合に、腸内におけるビフィズス菌の量が増えていました。しかも、その摂取量が1グラム、3グラム、5グラムと少ないのにもかかわらず、ビフィズス菌がそれぞれ2.5倍、3.2倍、4倍にまで増加していたのです。さらにオリゴ糖の摂取をやめたとたん、ビフィズス菌の量が研究開始前の水準にまで戻りました。これらの結果から、オリゴ糖にはビフィズス菌の増加に効果があるとの結論が得られたのです。

まとめ

今回はオリゴ糖の副作用として、オリゴ糖を摂取すると逆に便秘になってしまうのではないかという疑問についてお答えしました。便秘の原因には年齢や性別、また脱水や運動不足など様々あります。そして、確かにこんにゃくなどの消化の悪い食品を摂取すると、それが原因で腸などが詰まるというリスクもあり、それによって便秘なると考えられます。しかし、同じように消化されにくいオリゴ糖では、そのようなリスクは報告されていません。逆に、適切な量を摂取することで便秘を解消する効果もあるのです。オリゴ糖を摂取することで逆に便秘になってしまうのでは?と疑問を感じていらっしゃる方の、その懸念を取り払うことができればと思います。