オリゴ糖の含まれている食品について

オリゴ糖はサプリメントや栄養補助食品だけでなく、自然界に存在する食品にも含まれています。しかしその含有量は、オリゴ糖のもつ健康効果を発揮するのに十分な量なのでしょうか。今回はオリゴ糖の含まれている食品について、その含有量とともに紹介していきます。

日本の食品成分表にはオリゴ糖は掲載されていない

一般的に名前を聞くようになったオリゴ糖ですが、実は日本の食品成分表にはその成分値が掲載されていません。正確には、掲載されていないのではなくて、食物繊維として他の食物繊維と合わせた値として掲載されてしまっているのです。これは、食品成分表が、主に栄養計算に利用されていることに起因しています。

オリゴ糖は、その名前から糖質の仲間のように思われるかもしれませんが、分類としては食物繊維に近い成分です。通常の炭水化物、グルコースやアミロースなどは、消化し、代謝されることで1グラムあたり4キロカロリー程度のエネルギーを生じます。それに対して、オリゴ糖やその他の食物繊維は、人間の消化酵素で分解されないため、糖質ほどのエネルギーを産生しません。大腸において腸内細菌における発酵を受け、それによって短鎖脂肪酸が産生され、その短鎖脂肪酸がエネルギー源として回収されるのです。オリゴ糖は1グラムあたり2キロカロリーに相当するエネルギーを産生します。

上でみたように、オリゴ糖はその消化の容易性、エネルギー産生量から見た場合、オリゴ糖は糖質というよりも食物繊維として分類されてしまうのです。栄養計算上、食物繊維を細かく分類するメリットはあまり多くないため、食物繊維としてまとめて掲載されてしまっているというのが現状なのです。

フラクトオリゴ糖の多い食品一覧

日本の食品成分表には、食品別のオリゴ糖含有量は掲載されていません。そこで、他の情報源を利用することにします。ここでは、代表的なオリゴ糖であるフラクトオリゴ糖が含まれている食品を紹介するに当たって、FDA(アメリカ食品医薬品局)のフラクトオリゴ糖に関する資料を参照します[1]

フラクトオリゴ糖は、砂糖(スクロース)に果糖(フルクトース)が何個か結合したような形をしています。人の持っている消化酵素ではフラクトオリゴ糖は分解されません。そのため、そのままの形を保ったまま大腸まで達します。そして大腸内に存在するビフィズス菌などの善玉菌のエサとなるのです。それによって、腸内における善玉菌の数が増えていき、善玉菌が発酵によって産出する乳酸の作用により悪玉菌が減少してきます。このようなプロセスを経て、フラクトオリゴ糖は腸内細菌叢を整えていくのです。腸内細菌叢が整うと、便秘解消効果が望めたり、免疫力が高まる等の効果が期待できます。

では以下で、フラクトオリゴ糖の多い食品について、100グラムあたりの含有量とともに紹介していきます。

バナナ:0.2g

バナナには、100グラムあたり0.2グラムのフラクトオリゴ糖が含まれています。バナナの1本あたりの可食部重量(皮などを除いた部分の重量)が80-120グラムですので、1本食べると0.2グラム程度のフラクトオリゴ糖を摂取できる計算になります。バナナは入手しやすく、食べやすいので、オリゴ糖の摂取源としては最も手軽だと言えるでしょう。

タマネギ:0.3g

タマネギにも、100グラムあたり0.3グラムのフラクトオリゴ糖が含まれています。タマネギは1個あたり200グラムほどありますので、これを全て食べると0.6グラム摂取することになります。タマネギは普段の料理に取り入れやすいのが特徴です。

ライ麦:0.38g

ライ麦には、100グラムあたり0.38グラム含まれています。欧米などではライ麦パンはよく食べられていますが、日本ではあまり見かけません。欧米人と比べて唾液量の少ない日本人には少しぱさぱさして感じられるようで、あまり普及はしていません。しかし、ライ麦にはフラクトオリゴ糖も含まれていますし、その他食物繊維も多く含まれており、健康への効果は非常に高いと言えます。なんとなく避けてしまっているという方は、ぜひ食事に取り入れてみてください。

エシャロット:0.85g

エシャロットには、100グラムあたり0.85グラムのフラクトオリゴ糖が含まれています。日本ではあまり使われない野菜ですよね。フランス料理などでエシャロットは使われており、タマネギの仲間にあたります。しかし、そのフラクトオリゴ糖の量はタマネギの2倍以上。スーパーの規模によっては取り扱いがないかもしれませんが、根気よく探してみてください。

キクイモ:5.8g

最後に紹介するのはキクイモです。キクイモに含まれるオリゴ糖の量は他の食品と比べて桁違いです。100グラムあたりに5.8グラムも含まれています。これまで紹介してきた食品と比べてもダントツに高い含有量をほこっています。なぜこれほど高いのかというと、キクイモに含まれる「イヌリン」という成分が、大腸に入ったらフラクトオリゴ糖に変換されることによります。体内に入るとフラクトオリゴ糖になるため、その成分も加えて計算されているのですね。この食材もスーパーではあまり見かけないかもしれませんね。食感がシャキシャキしているので、きんぴらにするのがオススメです。見かけたらぜひ食べてみてください。

食品からの摂取で効果を得るのは難しいかも

ここまでは食品別にフラクトオリゴ糖の含有量を紹介してきました。意外な食品にフラクトオリゴ糖が含まれているなと感じられたのではないでしょうか。しかし、どうやらこれら食品からの摂取だけでは、効果を得るために十分なオリゴ糖の量を補給することは難しそうです。

消費者庁が公表している、「特定保健用食品(規格基準型)制度における規格基準」には、フラクトオリゴ糖の1日摂取目安量が掲載されています[2]。これは、フラクトオリゴ糖を含んだ食品を特定保健用食品として認めるための基準として掲載されているもので、この範囲にしたがって摂取した場合において、安全性や有効性が様々な研究において確認された摂取量となっています。つまり、オリゴ糖の効果を得るためにはこれに示された量を毎日継続して摂取するのが望ましいということになります。

フラクトオリゴ糖の1日摂取目安量は3-8グラムと定められています。ですので、フラクトオリゴ糖を摂取して健康における有益な効果を期待する場合には、毎日継続して3-8グラムのフラクトオリゴ糖を摂取することが望ましいということになります。ここで、先ほど紹介した食品のオリゴ糖の摂取量を見てください。

たとえば、バナナは100グラムあたり0.2グラムのオリゴ糖を含んでいます。ここで仮にバナナの重量を1本あたり100グラムとして計算すると、1本に0.2グラムのオリゴ糖を含んでいる計算になります。バナナだけで1日摂取目安量を摂取する場合、仮にこれを3グラムとしても15本のバナナを1日で食べなければならない計算になります。

キクイモであれば100グラムも食べれば1日摂取目安量を満たすことができますが、長い期間にわたって毎日キクイモを食べ続けるのは現実的ではありません。そもそも入手が簡単ではありませんし、毎日食べていたのでは飽きてしまいます。

このように、食品のみから十分な量のオリゴ糖を摂取するのは簡単ではありません。ほとんど不可能といっても良いでしょう。オリゴ糖の多い食品を一生懸命探して食べるというのはあまり得策とはいえません。

オリゴ糖を摂取する場合に重要なことは、オリゴ糖を食品から摂取するのではなく、サプリメントやオリゴ糖を含んだ栄養補助食品から上手に摂取することです。このような食品には、効果を得るために必要なオリゴ糖が十分に含まれています。このような食品を上手く活用することが重要なのです。

まとめ

今回はオリゴ糖の多く含まれている食品について紹介していきました。オリゴ糖が多く含まれている食品は少なく、通常の食品からだけでは、効果を得るために十分な量のオリゴ糖を摂取することは難しいということが分かりました。オリゴ糖の効果を得るためには、サプリメントやオリゴ糖の添加された栄養補助食品を利用することが重要になりそうです。

参考文献

[1] FDA. Generally recognized as the safe notification for short-chain fructooligosaccharide.

[2] 消費者庁.特定保健用食品(規格基準型)制度における規格基準.