オリゴ糖とは

健康に良い成分として良く名前を聞くオリゴ糖ですが、実際にどんなものなのか良く分かりませんよね。今回はそんなオリゴ糖についての基本的な知識や、摂取することで得られる健康上のメリットなどを紹介したいと思います。

単糖がいくつか結合したもの

オリゴ糖というのは、単糖がいくつか結合したものを指します。単糖とはこれ以上小さくなることのない糖のことを指しており、一般的にブドウ糖と呼ばれるグルコース、果糖と呼ばれるフルクトースなどがこれに該当します。そして、これらの単糖がいくつか結合したものをオリゴ糖といいます。

「オリゴ」という言葉には「少し」という意味があります。「少し」の単糖から構成される糖のことをオリゴ糖というのですね。ではこの少しというのはどの程度のことを指すのでしょうか。これについては、実は世界共通の定義はありません。2-20個を指すこともあれば3-10個を指すこともあります。ですので、おおよそこの程度の単糖が結合したものをオリゴ糖と呼ぶという認識で問題ありません。

種類はいろいろある

一言でオリゴ糖といっても、その種類は一つではありません。構成している糖によっていろいろな種類が存在しています。それらの中でも代表的なオリゴ糖はフラクトオリゴ糖でしょう。グルコース(ブドウ糖)にフルクトース(果糖)がいくつか結合したものをフラクトオリゴ糖といいます。またフラクトオリゴ糖のフルクトースの代わりにガラクトースが結合したものをガラクトオリゴ糖、グルコースが結合したものをイソマルトオリゴ糖といいます。このように、オリゴ糖にはたくさんの種類があります。ただし、基本的なオリゴ糖の特徴はそれぞれが共通して持っているということは知っておくと良いでしょう。

カロリーが低いのが特徴[1]

オリゴ糖は通常の糖とは一線を画した存在です。なぜなら、人間の消化酵素で分解されないからです。一般的にオリゴ糖と呼ばれる糖類は、人間の消化酵素で分解されにくいという性質を持っています。このような性質を「難消化性」といいます。糖と聞いて皆さんが真っ先に思い浮かべるのは砂糖でしょうか。砂糖はαグルコシダーゼという酵素によって単糖にまで分解されて吸収されます。また主食であるご飯やパンに含まれているでんぷんは、アミラーゼによって分解された後に吸収されます。しかし、オリゴ糖はこれらの消化酵素によっては分解されません。そのままの形で大腸にまで達するのです。

そのため、一般的な糖類と比べてカロリーが低いのが特徴です。砂糖などの一般的な糖類は、1グラムあたりにおよそ4キロカロリーのエネルギーを持ちます。これは砂糖の持つグルコースやフルクトースなどの単糖が、体内で代謝される際に産生するエネルギーに由来しています。

それに対してオリゴ糖は人間の消化酵素では分解されないので、このようなエネルギーの産生のされ方はしません。オリゴ糖は人間の消化酵素によって分解されない代わりに大腸において発酵を受けます。その発酵の際には、短鎖脂肪酸であるカプロン酸などが産生されます。このカプロン酸が各組織に運ばれ、エネルギーとして使用されるのです。この短鎖脂肪酸によって回収されるエネルギーが、砂糖の産生するエネルギーの約半分、2キロカロリー程度に該当します。ですので、オリゴ糖のカロリーは砂糖に比べて低くなっているのです。

オリゴ糖の甘さは砂糖の50%程度

オリゴ糖はカロリーが低いのが特徴ですが、甘みも一般的な砂糖と比べて低くなっています。次の表を見てください。

表:各種甘味料の甘味度(出典[2]

種類 甘味度
サッカリンナトリウム 350 - 900
アスパルテーム 200 - 230
果糖 1.0 - 1.5
砂糖 1.0
ブドウ糖 0.6 - 0.75
カップリングシュガー 0.5 - 0.6
フラクトオリゴ糖 0.5 - 0.6
直鎖オリゴ糖 0.3

ここに示した表では、砂糖の甘さを基準として、その倍数で他の甘味料の甘味度が示されています。ダイエット飲料に使われることの多いアスパルテームなどの甘味度は砂糖の何百倍もあるのがおわかりいただけるかと思います。肝心のオリゴ糖ですが、この表の中では、カップリングシュガーやフラクトオリゴ糖、直鎖オリゴ糖がそれに該当します。そしてその甘味度は、砂糖の50%程度となっています。

このことは、ダイエット目的でオリゴ糖を摂取する場合に注意しなければならないことを私たちに教えてくれます。オリゴ糖はカロリーが低い以外にも多くのダイエット効果を持っています。オリゴ糖のもつ機能性によってダイエットに良い影響が生み出されるのです。しかし、カロリーを減らす目的でオリゴ糖を摂取する場合は注意しなければなりません。確かにオリゴ糖のカロリーは砂糖の半分程度ですが、甘みもまた砂糖の半分程度などのです。つまり、砂糖をオリゴ糖で代用したとしても、砂糖を摂取していた際と同程度の甘みにしてしまった場合はカロリーカットにはならないのです。この点には注意しなければなりません。

ただし、先でも紹介しましたが、オリゴ糖は腸内環境を整える働きがあり、それにより間接的にダイエット効果がもたらされます。ですので、カロリーカットの観点から見た場合は、砂糖をオリゴ糖で置き換えることに注意が必要ですが、それ以上の健康やダイエットへの良い影響があるということは忘れてはいけないでしょう。

便秘解消に効果的

オリゴ糖を摂取する上での最も大きなメリットは便秘解消に効果を発揮するという点です。さきほど、オリゴ糖は人間の消化酵素で分解されないと紹介しました。消化されずにそのままの形で大腸にまで達するのでしたね。そして大腸で発酵を受けるのですが、その際に腸内に存在する善玉菌のエサにもなるのです。

善玉菌の代表はビフィズス菌です。名前を聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。この菌が腸内に多く存在していると、便通改善効果や免疫力向上効果、また消化吸収を促進する効果もあるとされています[3]。オリゴ糖はこれら善玉菌の増殖を促す様な働きをします。その結果、便秘解消を初めとする各種健康効果をもたらすのです。

では、その効果はどの程度のものなのでしょうか。ここでは、オリゴ糖の摂取による便秘解消効果を検討した研究を紹介します[4]。この研究では、全部で15人の対象者に対して、フラクトオリゴ糖を摂取させ、排便までの平均日数を調査しました。その結果が次の食いラフです。

図:フラクトオリゴ糖摂取の便秘への効果(出典[4]

研究開始時においては、排便までの平均日数が5日以上あると答えた人が2人いらっしゃいましたが、フラクトオリゴ糖を摂取した際には0人になっていました。そして、研究が進んで、研究開始から28日が経過した際には、排便までの平均日数が4日以上の人は1人もいなくなりました。また、排便までの平均日数が多い人だけでなく、少ない人でも改善が見られました。これらから、オリゴ糖を摂取することで、便秘が改善されるという結果が得られました。

まとめ

今回はオリゴ糖についての基本的な知識をお伝えしてきました。オリゴ糖は砂糖とは全く違う性質を持っています。たとえば、砂糖のように人間の消化酵素によって分解されるわけではないので低カロリーなのが特徴です。ただし、甘みも少なくなっているので、ダイエットを目的として摂取する場合は注意が必要でしょう。オリゴ糖の最大の特徴はなんといっても便秘を解消する効果です。それに関する研究も紹介しましたね。便秘に悩む方は積極的に摂取したいところです。

参考文献

[1] Elia, M., and J. H. Cummings. "Physiological aspects of energy metabolism and gastrointestinal effects of carbohydrates." European journal of clinical nutrition 61.1 (2007): S40.

[2] 小田恒郎. "甘味料の機能と食品への利用." Science of Cookery 18.2 (1985): 87-93.

[3] 江崎グリコ. ビフィズス菌の基本 | ビフィズス菌BifiX(ビフィックス).

[4] Hidaka, Hidemasa, Yasuhito Tashiro, and Toshiaki Eida. "Proliferation of bifidobacteria by oligosaccharides and their useful effect on human health." Bifidobacteria and Microflora 10.1 (1991): 65-79.